40th...


本当なら、40歳の誕生日を迎えるこの日、

私は、ニューヨークにいるはずだった。


そのために準備してきたし、仕事の調整も1年以上前から事務所にお願いしていたくらいだ。

しかし、コロナという情勢で私の計画は全て台無しになってしまった。


私の40歳を何か特別な形で迎えようと思っていたのに。

初の海外一人旅にも挑戦しようと思っていたのに。


不可抗力の出来事なので、仕方ないと自分に言い聞かせつつも、

初めて「自分でイチから決めたことがうまくいかなかった」ことに、

若干イライラもしていたりしたのだ。

まったく、私はなんとめんどくさい人間なのか。



このお仕事をやめるとという選択肢の浮上。迷うことが格段に増えた。


もちろんお仕事は自分のペースでやらせていただいているのだけど、

どうも昔ほど前のめりになれない自分も存在している。

昔は「一生、役者」ってかっこいいと思っていたけど、

最近は割とそうでもない。


ふとした時に、

「あ、やめようかな」という考えが頭をよぎる。


っていうことを誕生日前々日にリアルに書いていたのだけど、


さっきオーディションに通った連絡がきた。


ほら、まただ。

もう何度目なんだ。

まだ私はこのお仕事をやめられない。




私は人に何かできるんじゃないかと思っていた。
でも、それは大きな勘違いだった。


40歳である。

実は、私がアニーに出演した時の母親の年齢が40歳だった。

今思えば、私の母はなんて勇敢な人だったのだろうと思う。

ど田舎の奈良からいきなり東京に行くってどんな勇気なのか。

しかも娘と二人だけで上京するとか。

今の私に、そのくらいのことができる勇気があるだろうか。

ない、確実にない。


私は大きな勘違いをしたまま生きてきたような気がする。


自分の持っている「潜在的に持っている能力みたいな何か」で、

世界を変えたり、人を変えたりできるんじゃないかって思っていた。

だけど、世界はさほど変わらなかったし、人を変えることはできないと、


自分自身が変わることしかできないのだと、


ようやくこの年齢になって実感してきた、

むしろ、思い知らされたというべきか。


遅いだろ。




何も出来ないけれど、人に見せられる唯一の力は「這い上がる力」



私は、どうやら諦めが悪い。

現実的な思考ももちろん持ち合わせているとは思うのだけど、

最後の0.1%まで何かやろうとはしている気がする。

自分の中に「その姿」がイメージとして見える限りは。


体調も、精神も、完全に万全というわけではない。

季節の変わり目は起き上がれないし、

低気圧ですぐに頭痛にもなる。

だけど、伝えたいことが少しだけある。

私の声で、

私の歌で、


表現できるものなんて、些細だけど。


嫌だなんて思ったことはないから、

結局続けられているのは、好きだからなんだと思う。


私を愛してくれているすべての人に、

今年も変わらぬ感謝と心からの愛を。

これからもどうか愛してください。




2021.9.14 ミルノ純

SYNCHRONIST

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